利用する機会がないかもしれなペット保険は必要か
ペット保険に加入していて補償を受けることができるのは、ペットが怪我や病気になって医療費がかかったときです。
それが全くの健康なペットで動物病院に行くことがなければ、ペット保険を利用する機会が無いということになります。
それでもペット保険は必要なのでしょうか?
ペットの医療費と保険料
ペットの医療費と保険料の実態はどうなのでしょうか。
ペット保険の大手であるアニコムでは毎年ペットにかける年間支出を調査しています。調査方法は、アニコムの契約者に対してインターネット上でのアンケート調査です。
調査結果は次の通りです。
- 犬の医療費 75,400円(前年対比101,2%)
- 猫の医療費 35,599円(前年対比77,9%)
毎年恒例! ペットにかける年間支出調査(2013年)
この調査結果は年間の平均支出です。つまり年間医療費がゼロもしくはほとんどかからなかった人がいる反面、年間数十万円の医療費を支払いした人もいるだろうと想像できます。
同じアンケートには年間のペット保険料も調査されていました。
- 犬の保険料 34,564円
- 猫の保険料 28,054円
保険料と保険金の4通りのケース
医療費と保険料の実態調査から、ペット保険に関して以下の4通りのケースが考えられます。
A. 保険料 < 保険金
支払った保険料より受け取った保険金(補償給付金)が上まわるケースです。この場合、ほとんどの契約者がペット保険に加入していて良かったと感じます。
さらに受け取る保険金が多いほどに、ペット保険に加入したことについての満足度は高くなると考えられます。
保険の有用性が最も実感できるケースです。
B. 保険料 = 保険金
支払った保険料と受け取った保険金がほぼ同じであるケースです。
このケースでは契約者によって感じ方が違うと考えられます。
ある契約者は支払った保険料分が戻ってきて良かったと思うかもしれません。ペット保険に加入しなくとも同じだったのではないかと考える契約者もいるかもしれません。
しかしその一方では、そもそも保険料はペットを飼う上では必要経費であると捉えている契約者がいるかもしれません。
そのような契約者にとっては、支払った保険料と受け取った保険金を比べることは二次的なことになります。
C. 保険料 > 保険金 > 1円
支払った保険料より受け取った保険金が、ゼロではないけれど少いケースです。
このケースではペット保険を利用する機会があったとはいえ、単純に損をしたと考えるかもしれません。もしかすると、ペット保険に加入しない方が得だったと考えるかもしれません。
一方で、上記と同じように保険料は必要経費と捉えている契約者もいます。
D. 保険料 > 保険金 = 0円
保険料を支払っているにもかかわらず、保険金を受け取る機会が全くなかったケースです。
ある保険契約者は、ペット保険を利用する機会がなかったので全く損をしたと考えます。契約そのものが必要だったのかに疑問を持つので、契約の打ち切りを検討するかもしれません。
一方で、上記と同じように保険料は必要経費と捉えている契約者もいます。
以上の4通りのケースをグラフであらあわすと、次のようになります。
赤のラインが保険料です。
予め「A」のケースになることがわかっていれば、誰でも迷うことなくペット保険に加入するでしょう。
ですが、将来のことは誰にもわからないのです。
※病気なのに無申告のままペット保険に加入することはできません。
現実としては、受け取る保険金が支払う保険料以下となる「B」「C」「D」となることが十分に考えられるし、その確率の方が高いといえます。なぜならば、すべての保険契約者が「A」のケースになってしまうと保険会社の経営が立ち行かなくなってしまいますので、適度な利益が確保できる保険料に設定しているからなのです。
したがって、「A」のケースとなる確率は低く、「B」「C」「D」となる確率は高いことを踏まえて、ペット保険に加入するかどうかを決める必要があるのです。
公開日 2014年05年14日
更新日 2014年05月14日